オフィスの”コンセプト”を決めることで理想のオフィスづくりを実現する方法
沖縄県那覇市に本社を置き、沖縄県のオフィスづくりをサポートしている沖縄オフィスづくりナビです。
オフィスの新築には数千万円から数億円、リニューアルや移転でも数百万から数千万円のコストがかかります。企業にとっては数年に一度の大きな投資であり、慎重に進める必要があります。
経営者にとっては、投資に見合った経営効果を期待する一方で、社員も新しいオフィスに期待を寄せています。しかし、実際のオフィスづくりの過程では、さまざまな課題が発生することが少なくありません。
＜経営者の視点＞
・何度伝えても、意図した通りのオフィスプランが出てこない
・投資対効果のあるプランがなかなか提示されない
＜社員の視点＞
・業者と調整しながらプランをまとめても、経営者から大幅な変更を求められる
・予算やスケジュール、スペースの制約がある中で、経営者の要望をすべて実現するのが難しい
その結果、時間的な制約もあり、妥協したプランで進めざるを得ないケースが多く見られます。こうした課題を解決するためには、オフィスの「コンセプト」を明確にすることが重要です。コンセプトをしっかりと定めることで、関係者の認識が統一され、理想的なオフィスづくりが実現しやすくなります。本記事では、コンセプトを軸にオフィスづくりを進める方法について解説します。オフィスの新築、移転、リニューアルを検討している方にとって、参考になる内容です。
オフィスづくりにおけるコンセプトとは？
オフィスのコンセプトとは、「理想とするオフィスを実現するための一貫した考え方」です。コンセプトを明確にすることで、プロジェクトの方向性が定まり、円滑に進めることができます。具体的には、次のようなメリットがあります。
- 優先順位を明確にし、意思決定の基準になる
- 目指すオフィスの姿が具体化し、関係者の共通認識が生まれる
- プロジェクトの目的が共有されることで、関係者のモチベーションが高まる
コンセプトを設定することで、経営者やプロジェクト責任者の意図が関係者に伝わりやすくなります。また、予算やスペースの制約がある中で何を優先すべきか判断しやすくなり、不満や迷いを減らすことができます。その結果、プロジェクトの進行がスムーズになり、関係者の納得感も高まります。
オフィスづくりのコンセプト事例
オフィスのコンセプトは、企業の方向性や課題によって異なります。例えば、以下のようなものがあります。
- カフェのような雰囲気で、自然とコミュニケーションが生まれるオフィス
- 部門を超えた連携を促し、新たな価値を生み出すコラボレーション型オフィス
- 社員が出社したくなる、居心地の良いリビングのようなオフィス
- リフレッシュできる空間を取り入れ、創造的なアイデアを生み出せるオフィス
- アウトドアの要素を取り入れ、自由な発想を促すオフィス
オフィスのあり方は、企業の文化や働き方に大きく影響します。どのようなコンセプトが自社に合うのか、プロジェクトメンバーとともに検討しながら進めていくことが重要です。
オフィスづくりのコンセプトを決める手順
オフィスのコンセプトは、次のようなステップで整理していくと明確になります。
- トップビジョンを共有する
- 現状を把握する
- モデルオフィスを視察する
- 新オフィスのアイデアを出し、優先事項を決める
- コンセプトとしてまとめる
以下、それぞれのステップについて説明します。
1. トップビジョンを共有する
オフィスは短期間で頻繁に変更するものではなく、数十年にわたって使い続けることになります。そのため、中長期的な視点で検討することが必要です。例えば、次のような点を考慮します。
- これからの人員計画はどうなるのか
- ビジネスモデルの変化にどう対応するか
- 今後の働き方はどう変わっていくか
- どの事業部が成長しそうか
こうした方向性を定めるのは、経営者や経営幹部の役割です。経営のビジョンに沿ったオフィスを考えることで、将来的な事業の成長とオフィスの機能が乖離することを防ぐことができます。
2. 現状を把握する
現在のオフィス環境や働き方に関する課題を明らかにすることが、より良いオフィスづくりの第一歩になります。社員アンケートやディスカッションを通じて、部署や役職、年齢などの違いによる意見を幅広く集めると、多様な視点を取り入れることができます。一部のメンバーだけで決めるのではなく、できるだけ多くの社員の声を反映させることが重要です。
3. モデルオフィスを視察する
他社のオフィスを実際に見る機会は意外と少なく、特に内勤の社員にとっては新しいオフィスのイメージを持ちにくいものです。モデルオフィスを見学することで、空間の使い方やデザインの参考になり、具体的なアイデアが生まれやすくなります。どのようなモデルオフィスを見ればよいかわからない場合は、専門業者のサポートを活用するのも一つの方法です。
4. 新オフィスのアイデアを出し、優先事項を決める
プロジェクトメンバーでアイデアを出し合い、どのようなオフィスを目指すのかを具体化していきます。この段階では、自由に発想し、多様な意見を受け入れることが大切です。例えば、次のようなアイデアが挙がるかもしれません。
- フリーアドレスを導入し、部門を超えた交流を促す
- 企業の歴史や理念を伝えるエントランスを設ける
- 会議室をオンライン会議に適した設計にする
- 採用活動にプラスになるようなデザインを取り入れる
- リフレッシュできるスペースを設け、創造的な発想を促す
アイデアが出そろったら、似たものをグループ化し、特に優先したい項目を選びます。
5. コンセプトとしてまとめる
優先事項をもとに、オフィスのコンセプトを策定します。よいコンセプトの条件として、以下のような点が挙げられます。
- シンプルで分かりやすい
- 実現したときにワクワクする内容である
- 現実的に実現可能である
- 具体的なオフィスのイメージが浮かぶ
まとめ
オフィスのコンセプトを明確にすることで、経営者のビジョンと社員の意見を踏まえた理想のオフィスづくりが可能になります。コンセプトが決まれば、専門業者もその方向性に沿った提案をしやすくなり、設計の精度も向上します。また、コンセプトの策定プロセスを通じて、会社の未来や働き方についての理解が深まり、関係者の納得感が高まるというメリットもあります。
オフィスの新築や移転、リニューアルを検討する際には、まずコンセプトを固めることから始めてみてはいかがでしょうか。
